ローストビーフ丼に続く新ジャンルの丼メシについてあれこれ調べてみた
丼メシに新たなブームが巻き起こっている。
レッドロックが一世を風靡し、瞬く間にローストビーフ丼を提供するお店が増えていったのは記憶に新しい。
もはや一つのジャンルとして定着してしまったローストビーフ丼だが、このように従来の丼メシとは異なる新ジャンルの丼メシを提供するお店が多くなった。
なかなか探そうにもネットの検索では限界があるので、ここで紹介がてら個人的な意見を含めていろいろ調べてみたのでぜひとも食べ歩きの参考にしてほしい。
- 創作丼を出すお店が増えてきたことが素直にうれしい
- 真っ向勝負を避けてるだけ??
- 飲食店主はSNSマーケター??
- やっぱり主役は肉??
- 豚丼もひそかに増えている
- 金子半之助に続く天丼??
- ローストビーフ丼って定着したのかな???
- 創作丼=個性の集まり
創作丼を出すお店が増えてきたことが素直にうれしい
丼専門店ってここ数年で急に増えてきたような気がする。しかもどのお店も個性がある他にはない創作メニューで進展がオープンするたびに行きたくなってしまう。
これまでそういったお店がなかっただけに、丼メニューといえばカツ丼や牛丼、天丼といった、定番ものしかなかった。
しかもどれも脇役的なイメージで、カツ丼はあくまでとんかつ屋のサブ、天丼は天ぷら屋のサブ、親子丼は焼き鳥屋のお食事される人向けと、どれも主役があった。
(牛丼は・・・。ぱっと思いつかないが、しいて言うなら焼き肉屋???)
純粋に「カツ丼が好き」という人でも、こうして丼メシは主役級の扱いじゃないから美味しい店を見つけるのが難しい。
必ず主役メニューの口コミが先行するので、「あのお店、とんかつの名店だけど果たしてカツ丼についてはどうなのか?」といった疑問が出てくるわけである。
天丼にしろ、親子丼にしろ、確かに必ずあるメニューだが、どこへ行ってもそれより天ぷら、焼き鳥に多くの人は注目してお店選びをしてしまうだけに、丼メシを専門に食べ歩く人間からすれば、情報の少なさに苦しめられたことだろう。
それが今、丼メシを専門で出すお店が次から次へと出てきて、しかも従来のメニューにとらわれない新しい味を提供してくれるということで、新店がオープンするたびにメディアに取り上げられ、話題となる。
ここへきて創作丼が非常に増えてきており、新ジャンルが出てくるのでは!?と期待している。
これは本当にうれしい限りだ。
真っ向勝負を避けてるだけ??
でも、嫌みな人間はもしかしたらこういうかもしれない。
「丼専門でやっていくには定番の丼メニューでは対抗できないからでしょ?」と。
確かに、昔から親しまれてきた丼メシはそれぞれ、熟練の職人だからこそ出せる美味さがあるのも事実。
カツ丼はとんかつの揚げの技が無ければそれ一本では成り立たない。
天丼は天ぷらの揚げの技術がなければ天丼専門でやっていくのは難しい。
これから飲食店を開店しようとしたとき、カツ丼専門店を立ち上げるには、
それらとんかつ屋の味に勝るものを提供しないと成り立たないわけで、非常にハードルが高い。
そういった意味では正しい意見かもしれない。
飲食店主はSNSマーケター??
しかし、今はネット社会。SNSを通じた消費者発信の情報が最も強力な宣伝となるのを知ってて、戦略的にそうしたお店を出してると僕は思ってる。
僕が考える、丼メシに惹かれる理由は次の3つ。
①値段と手ごろさ
まず、丼メシは前提として庶民の味方だ。数千円もするフレンチのコースではなく、気軽に、手軽に、どこでも食べられる。ラーメン同様、数百円で美味しいご飯とおかずを無心にかっこんで食う。これぞ丼メシ一番の魅力だと思っている。
②バリエーションの豊富さ
たった一杯の丼の中に無限の可能性が広がっているのだ。ご飯と合うおかずなら何でも乗せていい。ご飯の上に乗せればそれで丼メシが完成するのだ。
そう考えれば、なぜこれまで丼メニューといえば、カツ丼親子丼天丼海鮮丼・・といった固定的な種類しかなかったのか。逆に不思議なくらいだ。
③写真の撮りやすさ
そして、一枚の写真に納まるから、これまた便利。SNSで投稿するときも一枚にすべてが収まるし、そこに写るは一杯の丼。すべての注目がその一杯に注がれるのだ。それがアイキャッチ画像として表示されたらどうだろう。注目度は抜群である。非常に分かりやすい。
丼メシ専門店が増えてきた理由は上記②③の条件が満たされたことで潜在的なニーズが掘り起こされ、それでまた丼メシ専門店が増えるといった相乗効果による部分が大きいと思っている。
やっぱり主役は肉??
そんな中、先日和牛の贅沢重を提供する店がオープンした。
Rettyのトップユーザーがこちらで食レポをしてるのでご参考。
・・・ってフツーに千円越えーーーーー!!!!
①「値段の手ごろさ」満たしてないやんけ!!
・・ま、これは一つの差別化戦略だろう・・(^^;)
ちょっとしたプレミアム感が逆にブランドになるからな。うむ。
確かに「和牛を使ったお重」というのが新しいね。
牛丼は各チェーン店が企業努力のもと、めちゃめちゃうまい牛丼をわずか3・400円足らずで提供してくれている。
ちょっとぐらいの高クオリティで太刀打ちしようものなら、「だったら吉〇家で十分」ってなっちゃうし、かといって超高い牛丼は、「だったら普通に焼き肉行ってご飯食べるし」ってなるから難しい。
そう考えると、高クオリティにもかかわらず、この価格に抑えられたというのは逆に衝撃かもしれない。
また、丼メシって漢飯というイメージだったり、お店によってはジャンク感が出てたりするけど、ここは上品な雰囲気で女性でも入りやすいお店作りだから、新たな客層の取り込み狙えるね。
豚丼もひそかに増えている
豚丼といえば、北海道帯広のご当地グルメという印象が強いが、その豚丼が東京でもひそかに増えている。
先日神保町を歩いていて気になったのがこちらのお店。
豚肉もブランド豚を使ってて、写真を見る限り、肉厚で美味そう。
前からある、豚野郎だけど、ゴメンナサイ。正直ここは・・・・。
ご飯に対して肉の量は少ないし、肉も薄っぺらだったので。。。
そういった意味では、こちらも同じ印象でした。。(--;)
なぜに評価がお高いんでしょう??
僕が食べたお店で美味しいなーと思ったのは「豚っく」さん。
丼メシ専門店ではないけど、こちらはちゃんと肉厚でおいしい豚肉だったし、
「ぶたまる」なんて言うバラ肉を巻いたメニューもあったりして、脂好きにはたまんなかった。
金子半之助に続く天丼??
店構えと言い、メニューの構成と言い、金子半之助に近いコンセプトのようなこちらのお店。
- ジャンル:牛丼
- 住所: 千代田区神田神保町1-8 FUJIビル1F
- このお店を含むブログを見る |
- (写真提供:yasuo.ueda)
- どんぶり丸福をぐるなびで見る | 神保町の牛丼をぐるなびで見る
昨年できたばかりの新店。
ここは牛丼も扱っているらしく、看板には大きく、「牛丼・天丼」と書かれている。
おそらくどちらも看板メニューなのだろう。
が、お昼に通りかかったときは天丼しかメニューがなかったような・・・^^;
美味しくてボリュームがあって、かつリーズナブルな値段でふらっと寄れる、そんなお店として定着してくのかなー
今後に注目。
ローストビーフ丼って定着したのかな???
裏を返せば、定着した丼メニューというのは、それだけ「深さ」があることの表れなのかもしれない。
カツ丼は本当に奥が深くて難しい料理だと思う。
まず揚げの技術。後で卵と一緒に煮る工程を考慮して豚肉に火入れをする必要がある。
そして出汁のうまさ。お店で丁寧に取られた出汁がそのお店の個性となって出てくる。
最後玉子と煮るときの火入れ加減も重要だ。
天丼然り、親子丼然り。
こうして考えると、長く庶民の味として親しまれてきた定番の丼は、お店ごとに全く異なる味に出会えるというのが今も愛される所以なのかもしれない。
ともすると、ローストビーフ丼ってどうなんだろう。
正直、そこまでの奥深さって感じられない、というのが個人的な感想。
唯一のローストビーフも、今や食品の卸が扱ってるから、仕入れた塊ソースとビーフをスライスして提供すれば味はお店ごとにそれほど変わらないし、ご飯も国産米とはいえ、業務用であれば、差別化の要素はない。唯一見た目で競うしかなくなってきて、一度写真に収めて投稿して「いいね!」をもらえれば食べた側は満足して再訪なし、となる可能性だって大いにある気がする。
実際、土台となるお米が高く盛られて、それにへばりつくように薄くローストビーフを巻いただけのお店は正直残念な気持ちにさせられる。。
最初のインパクトは大きいが、一つのジャンルとして定着させられるだけの、人々を魅了する奥深さがあるかといえば・・・うーん、どうでしょう???
創作丼=個性の集まり
結局のところ、何か一つのジャンルとして新しいものが今後出てくるとするならば、そうした個性が光る「創作丼」という漠然としたものになるのではないだろうか。
A店は○○をコンセプトにしたお店。B店は××を乗せたこれまでにない丼専門店・・
といった具合に特定の○○丼といった括りよりも、全体として定番丼とは違った丼メニューを出すお店、として今後ジャンル化していくのがいいかもしれない。