検証することの重要性
前回事業計画書を作るにはリサーチが欠かせないということを話した。
今日はもう少しその話をしたいと思う。
先週VC主催のmeetupに参加し、事業相談を20分ほど受けてきた。
今回アドバイスを頂いた方は事前に送付した資料に目を通しておいてくださり、事前アンケートに書いた主要な相談内容についても丁寧に回答してくださった。
「このデモ画面、ユーザーに見せました?」
もうサービスのリリースが6月に迫っており、開発は進んでいる。デモ画面もできている。
ほとんど完成を待つだけの状態なのだが、その状況において自分は重要なステップを飛ばしていた。
それは「ユーザーに直接意見を聞く」こと。
以前、新宿や渋谷の街頭でアンケートを取ったがそれはニーズを掘り下げるためのアンケート。
今回は実際にそのニーズを受けて試作したデモを実際にユーザーに見せて反響を聞く行為。
今私に見せたデモ画面は、使うのはほかならぬユーザーです。そのユーザーに見せて意見を聞いてみてください。そこで渋る回答があったらそこがこのプロダクトのウィークポイントです。10人中8人が『使いたい』と回答してくれればそれはユーザーが必要としているもの、といことですね。
確かにそのとおりであり、盲点だった。
デモ画面まで作り開発も進んでいる中で、「自分がやれていなかったことはこれか!?」
とすぐにでも実行すべきと決心した。
付け加えて投資家は、
『どうやって収益を出すか』を気にされてますが、ユーザーに必要とされているサービスであれば必ずそのプレーヤーの誰かが必ず払ってくれます。それが、飲食店なのかユーザーなのか、広告なのかはわかりませんが。でもユーザーのいないサービスには誰もお金は払ってくれません。だからまずは真にユーザーに受け入れられるサービスかどうか、そこを追求してください
ビジネスの本質を突かれて非常に恥ずかしい気持ちになった。儲かるかなー、とかユーザーどうやって集めようかなー、とかいろいろ困っていたことはすべて最後は一つの問いにつながっていることをその時気づかされた。
「ユーザーが使いたいサービスですか?」
ユーザーが使いたければPRせずとも使ってくれるし、それをSNS上で拡散してくれる人がいる。
話題になればそれを投資してくれる人がいる。ユーザーを味方につけたサービスにはマネタイズの方法も自ずと生まれてくる。
そのことがそもそも僕には理解できていなかったようだ。
つまり、ユーザーへのヒアリング(=検証)が必要なわけだ。
1に検証、2に検証、3,4に検証、5に検証
時期を同じくして、週末にピッチコンテストに参加した。
同じシード期にある起業家らが参加し、互いのアイディアをブッシュアップする場だ。
そこでも検証することの重要性について多く話題に挙がった。
隣に座った彼は、昨年の7月に会社を辞め、起業を目指し準備している。今日までおよそ7か月あったが、その間彼はずっと仮説の検証を行ってきたというのである。
自ら立てた仮説が正しいことを立証するためユーザーへの聞き取り調査を行う。
そしてその仮説に誤りがあれば、それを修正し、改めてヒアリングをおこなう。
これを繰り返してきた結果、すでに7・8回は事業のアイディアをピポットしているのだという。
だがこうした地道な作業なしに事業の成功への道は存在しない。
誤った仮説をもとにしてサービスを立ち上げても、そこにはニーズも市場もないわけで、結果失敗に終わってしまう。
だから、サービスを作る元となる仮説が正しいことを確かめないと、ニーズの存在というものが確認できないし、収益を上げることもできない。
他の人はこの検証という作業において、400人もの人に街頭でアンケートを取ったという。
100人に聞いて「俺頑張ったぜ」みたいなこと言ってた自分がちっぽけに思えた瞬間だったwww。
ましてやビジネスアイディアを確立するまでに半年以上かけているなんて。。
会社辞めてすぐにサービスの開発に着手した自分は逆に時間がかかってなさ過ぎて心配になる(-_-;)
そもそも起業しようなんて思う人間は世の中全体から見れば外れ値なわけですよ。その外れ値にいる自分らが、「みんなこう思っているからこうすればみんなウケるに違いない」なんて思うのは早計。そんな思い込みはほぼ間違いだと思っていい。だからこそ検証して一般のユーザーの声を聞くのが重要なんだ。
この言葉は同じピッチイベントにいた人からもらったアドバイスである。
ずばりそのもの真理をついている。
この方は何度も事業を立ち上げてきており、すでに今日の時点で5つ目ぐらいを考えている。
自分からすれば起業家として大先輩なわけで、百戦錬磨の達人のような方だ。
彼のアドバイスには一つ一つに重みがあって、自らの体験をもとに語っているのがにじみ出ていた。
だからこそとても心に響く。
自分みたいな新参者が彼に対して何かしてあげられることなんてあるはずもなく、ずっと教えてもらってばかりで申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
とはいえ、自分も早く起業家として、少しは顔が利くような人物になりたい。
そんな野望を持ちつつ今日も聞き取り調査を行おう。。。