ものづくりのスタートアップってやっぱりハードル高そうだなーと思った件
起業するとき、どの領域に飛び込むのか・戦いを挑む舞台を考えたとき,
ものづくりは参入障壁が高そうという先入観があります。
というのも初期投資がかかるから。
「でも実はそうでもないよ!」という領域であってほしい、という期待も込めてとある勉強会に参加してきたのですが、やはり現実としてはまだまだ多くの壁があるようでした。。
ものづくりにおいて必要なステップ
そもそもものづくりの企業は、いくつの・どんな工程を経て儲けているのか。
専門用語でモノの流れを例えるときに「バリューチェーン」だとか「サプライチェーン」だとか、いろんな言い方をしてますけど、難しい話は抜きにして、大きく分ければ①開発・設計②試作・量産③物流の3つに区切って考えることができるのかなーと思います。
PDCAを回しづらい
実際に消費者にわたる商品を作るわけですが、開発時は作ってはやり直し、作ってはやり直しを繰り返すことになります。
ものづくりのハードルはここにあります。。。
ITとかソフトウェアでしたら、プログラミングをしてそれを実際PC上で動かしてみてバグがあったりエラーで次のページに遷移しなかったりをその場でチェックできますが、モノを作るとなるとそううまくはいかない。
まず図面を起こしてもそれをカタチにする設備がない。
となるとそれら設備が整った企業に依頼をしなければならない。つまり、
・その都度外部業者との打ち合わせが必要で、時間がかかる
・トライ&エラーの数だけ費用がかかる。
わけです。
お願いしても作ってくれない可能性が・・・
付け加えてですが、そうしたベンチャー企業からの依頼を受け入れてくれる企業がそもそも少ないというのが現実にあります。
例えば大手メーカーもすべて自前で作っているわけではなく、最終製品に組み込まれる各々のパーツは小さな町工場や中小企業から調達しています。
それら町工場や中小企業はベンチャー企業との取引について消極的であると言われています。
理由その1:小ロット⇔大ロット
これは、もし試作から量産まで請け負ったとしても、ベンチャーの場合大抵小ロットしか発注してくれないからです。初めての取引相手と一から時間をかけて商品化を目指すのに、商品化したところで発注数が少なければ全く自社にとって利益になりません。中小の零細企業にとっては死活問題です。それだったら話の分かる大手メーカーからの大ロットの注文にこたえて工場を稼働させた方がよっぽど利益になるじゃん、ということになるのです。
ベンチャー企業はそもそも最初は利益になるかどうかわからない。あるいは利益を出すのは二の次、みたいに、商品に込めた思いとか少ないユーザーでも大切にしたいみたいなところがありますからね。すぐにでも金にならないようなら意味がない。という中小企業側とビジネスの進め方にギャップがあるのも事実だと思います。
理由その2:やりながら考える⇔すでに決まっている
ベンチャーならではですが、彼らはPDCAを回し、重ねることで少しずつ理想形にもっていきます。また、途中で見つかった課題で足踏みすることもあります。
「その過程に付き合っていられるほどうちは余裕はないです」というのが請け負う側の本音なのかもしれませんね。そうしている間に、「これでお願いします」と大量の発注をお願いしてきたメーカーの要望に応えているほうがよっぽど生産性は高いわけです。
理由その3:素人⇔既にビジネスのやり取りについて分かりあってる
これは共通言語に落差があって無駄にコストがかかってしまうということです。
うまく説明できないですが、最初の打ち合わせで「これから始めてモノづくりに挑戦します!」みたいな起業家がやってきて、話をしてみると、そのモノづくりに対する知識量に「えっ、そこから!?」感を覚える、みたいな感じです。
「そこから」をまずは一から説明しなければならず、「そこ」を理解してもらってようやくスタートライン。で、やっとビジネスの話ができる。。。。
これじゃー注文を受ける側も大変ですよね。。結構な体力と時間を消耗しちゃう笑^^;
理由その4:信頼度薄⇔信頼度高
これはしょうがないことですが、本当に支払い能力とかあるのか、とか不安になるわけです。
だからそもそも試作とその先の量産をお願いできるところが少ないので、商品の出来上がりに持っていくのが難しいようなのです。
もともとモノづくりにおけるキャリアがあれば別
もともと大手メーカーのエンジニアで、CADを使って設計していたり、商品デザインを担当していたりとかであれば、ある程度ものづくりにおける起業は難しくないかと思います。
大事な技術だけは自分らで抱えて、生産はそのような企業にお願いし、在庫の管理や発送・物流は、これまた発送代行業者や倉庫会社にお願いすればいいわけですから。
なにより以前勤めていた会社でのノウハウを生かせます。
終わりに
結局こうしたハードルがあるために、商品化して販売にこぎつけるベンチャーというのはごくわずかだそうです。世の中で成功しているモノづくりベンチャーの裏(分母)にはかなりの数のベンチャーがあきらめているのかと。
日本はモノづくりで世界に名を馳せてきたわけですから、これからのスタートアップにおいてもその精神と文化を脈々と受け継いでいってほしいなーという気持ちはあります(ヒトゴトのようでスミマセン- -;)。
ただ、中小企業としてもそうした新たな視点を取り入れたいとは思っているようで、というのも時代に合わせて挑戦をどんどん行っていかないと生き残っていけないという危機感もあるからです。
ベンチャー企業からの依頼を受けてみたいけど不安要素が多くてなかなか受けられない。
そんなジレンマを解消するべく今各自治体が立ち上がっています。地元の企業を応援して地域活性を図りたいとサポートを充実させています。
もしものづくりで起業を考えているなら自治体に相談に行ってみては??
思わぬ出会いに遭遇するかもしれませんよ(^o^)