とある起業家の食べない妄想グルメ

グルメなのに少食。実食レポの他、世にも珍しい巷の情報を頼りに食べたつもりで書いちゃうブログ。

ところであんた、何されている方なの?

4日連続投稿の2日目です。

今日は私が日頃何をしている人なのかをご説明したいと思います。

 

 

 

失敗してしまったグルメアプリ。。。

昨年、起業して間もないころ、こんな記事を書いていました。

 

og-hiro.hatenablog.com

 

2018年3月に起業し、それと同時にスタートさせたグルメアプリの開発。

当時は「6月にもリリースします!」と意気込んでいたが、実際はα版をリリースするのでさえ12月まで遅れてしまった。。。OTL

 

そのグルメアプリの開発・運営も今年の3月までのこと。

様々な人の応援や力を借りながら進めてきただけに、正式リリースを前に打ち切らざるを得なかったのはとても苦しい決断だった。

 

それでも事業を終了してしまった理由について以下述べていきたい。

 
強み

ここで改めてどんなプラダクトであったかをご説明したい。

一言で言うと、食べログの料理単位バージョン」である。

今あるグルメサイトの多くは「お店」で評価や口コミを括っており、個別の料理ごとに対する評価が存在しない。

昨今グルメサイトに頼らず、インスタグラムでハッシュタグ検索をすることも増え、それに応じるようにインスタ映えを狙った料理を提供し、特定の料理目当てで来店するという流れが強まっている気がする。

料理単位で評価すれば、特定の料理について美味しそうなお店を探すことができ、インスタグラムの良さと食べログ的要素を兼ね備えた一挙両得のサービスができると思った。

 

さらには、お店のタイプもまちまちだ。私は街の食堂で食べるハンバーグと、ステーキ店で食べるハンバーグは似て非なる食べ物だと思っている。

カツカレーはなおさら、カレー店のカツカレーととんかつのお店のカツカレーではもはや同じ料理とは言えない

町中華というジャンルが存在するように、同じ料理でもお店の形態によって熱狂的なファンが存在するため、そうしたスクリーニングも行えたら彼らマニアにとってもとても使い勝手の良いサービスになると思っていた。

 

が、しかし・・・・

 

そこで立ちはだかったのがSARAHの存在だった。

sarah30.com

 

私はこのサービスがローンチされた2015年ころから知っており、当初「これこそ自分が求めていたサービス!」と歓喜したのを覚えている。

 

 

でも少し違った。

 

 

なぜかかゆいところに手が届いていない感じがしたのだ。

 

・「料理」ではなく「メニュー」なので、固有名詞で登録されており、表記の揺らぎによる検索の取りこぼし感が否めない。

・初投稿がある前にメニューを登録してしまうので、「NO IMAGE」が目立つ。

・先のお店の形態によるジャンル分けというものもされていない。

 

などなど、それほど食に興味をもたない人からすれば屁理屈に思われるかもしれないが、僕みたいな食への愛情が異常な者(?)にとっては致命的問題

私の持論はグルメサイトにおいてはロボット型検索エンジン」ではなく「ディレクトリ型検索エンジン」のカタチを採るべきだと思っている。

「もしかしたら検索のワードに引っかからないお店があるのかも・・」というもやもやを無くせるからだ。

 

そう思い開発を進めたわけだが、彼らはここ最近急激に開発を加速させている。

 

 

既存サービスのリプレイスを図るような新しいサービスとして注目を集め、数億円単位で資金を調達し、着実にユーザー数を伸ばしている。

 

prtimes.jp

 

自然言語処理の性能も増して、検索精度が上がり、僕らがもたもたしているうちに、いつの間にか上記不満点がほぼほぼ解消されるほどにサービスのUI/UXが向上していたのである。

 

 

ただ、彼らがいるから僕らがやってはいけない理由などない。彼らにない強みを僕らが持てばいいだけの話。

そこで自分らの強みとして考えたのが「AIを用いてユーザーの好みに応じてパーソナライズされた料理を提案する」という機能だ。

 

投稿する料理写真やコメントから本人の嗜好を学習し、現在地からティンダーUIでおすすめの飲食店を提案してくれるという機能。

探す手間を省き、見た目のおいしさから感覚的にサクッと美味しいお店が探せる。

 

これならCGM型の難しい点である、投稿するインセンティブも補える。

そう考えた。

 

 

が、しかし・・・

またしてもここにライバルが立ちはだかった。

note.mu

 

 

こちらは予算と人数を選んだら現在地からサクッとランチを決められるアプリ。

何よりティンダーUIを組み込んでおり、AIによる嗜好把握という要素はないものの、ほぼ同じコンセプト、UI/UXだったのだ。

 

著者renさんが、サービスを作るに至った背景から、コンセプトまで語っているが、全く自分も同じことを思った。

 

 

 

そして追い打ちをかけたのが次の投稿。

note.mu

将来的にライバルになりそうだなーと思っていたら19年の1月にサービスを終了していたのだ!!

理由は上記noteに書いてある。。。

 

 

・・・・なるほど、、、そういうことか。。。。

自分でもこのグルメサービスを始めるときに頭によぎった不安をものの見事に体験されていたようだった。。。

 

そして何より自分にとってショックだったのがその期間である。

Twitterでバズったのが5月のこと。

そしてiOS版アプリがリリースされたのが7月。

その半年後の2019年1月、サービスを終了。

 

私が3月にサービスを開発し始めてから、

α版をリリースするまで9カ月間。

僕らがβ版すらまだリリースできていない期間で彼らは検証・開発・リリース・市場の反応からのサービス終了までをやってのけてしまったのだ。

 

これは自分にとってとても大きなショックだった。。

例え同じ結末になったとしても、せめて自分らがその結論に先にたどり着きたかった…。

 

スタートアップである最大の強みはそのスピード。それを存分に生かし切ることができなかったが故の後悔だった。

 

資金繰り

先の理由に関連するが、端的にまとめるとこうなる。

 

グルメアプリはレッドオーシャンでかつ収益を上げにくい。理由は、そもそも飲食店という業態自体が利益率の低い業態だから。

飲食店相手のビジネスモデルのサービスだとどれほど厳しいか、昨年時点だが、サービス開始から8年を経過してもなお赤字が続くrettyの現状を見れば分かる。

そもそもCGM型においては飲食店から収益を上げるビジネスモデルではない。

唯一頼みの綱となるのが広告収入だが、α版のリリース時のユーザーの反応からするとまだまだ改善の余地があり、すぐには見込めない状況。

となると残る選択肢はVC及びエンジェル投資家からの資金調達。

しかし、先に見たように既存のサービスを足しただけの我々サービスには説得材料となる強みがなく、残されたのは私自身の「グルメに対する熱いこだわり」だけだった。

情で説得できる相手ではないことは自分がよくわかっている。

資金的にも厳しさを極めていたため、サービスの開発を辞めざるを得なかった。

 

 

・・・というのが、サービス終了に至った経緯である。

 

ちなみになぜそこまで食を愛するのか?その理由は明日の投稿と絡む部分だけど一言で言えば、食に飢えているから笑(?)

(ほぼ放送の中で語っちゃっているけど)

 

 

 稼ぐことは悪ではない

「やりたいこと」をやって生きていく。そのための起業ではあったが、あまりにも「やりたいこと」を先行させすぎてしまい、現実的な観点を見落としてしまっていた。

稼ぐことは悪いことではない。

むしろ、それは事業を継続させるためには必要なことなのである。

サービスを必要としている人がいる前提になるが、それら利用者に今後もサービスを提供し続けられるようにすべきだし、サービスを開発してくれているチームにも開発に専念できるよう十分な環境(報酬)を与えなければならない。

企業としての体裁を保ち、経営していくうえでは、稼ぐことこそまず一番先に考えなくてはならないということを学んだ。

 

D2Cビジネスへの興味

既に確立されたビジネスモデルのもと事業を始めることはリスクが少ない。

往々にして市場を創出することが前提として期待されるスタートアップにおいては、ニーズの調査や仮説検証、その上でPMFを果たせるかどうかなど、超えるべきハードルは高く、それを越えることができれば新市場の開拓者として世の中から礼賛される。

 

実際その壁を乗り越え世の脚光を浴びられるのはごく一部の起業家に過ぎないように思われる。

 

昨今ブームになっているD2Cビジネスはそういう意味では新しいビジネス形態ではない。

 

pagez.jp

 

従来で言うところの単品通販に相当するもので、いくつもの物流をスキップすることで高品質低価格を実現するマーケティングの手法。

つまりこの先は商品力の問題だけであり、モノを作って売るという古典的なビジネスには違いないのだ。

 

 

有形の商材を扱いユーザーに届けるビジネスがもともと好きだったし(実際メーカーに新卒で就職したのもモノづくりが好きだったから)、

・時流に乗っていること

toC向けEC市場が今後も拡大していくこと

・事業の成長性(何を売るかにもよるが)

という観点からしても参入のチャンスはあると考えた。

初めて「D2C」を耳にした2年前は検索してもほとんど記事は存在しなかったのだが、今ではD2Cブランドで溢れている。

 

「今からでは遅いのでは?」と思われるかもしれないが、これは特定の市場を指す言葉ではなく、あくまで「手法」を指している。

 

その手法を用いて「何を」売るかが問題で、「何を」の部分次第で全く状況は変わってくると考えている。

 

ちなみにこの記事以降、私は一切「D2C」という言葉は使用しないつもりです。

既に界隈ではほぼその意味が浸透している「D2C」という言葉を用いた方がより分かりやすく伝えられると思ったため使用した。

今後自分の事業を指して「D2C」と表現しない理由、これについては別の機会に述べることとしたい。

 

 

何を売る?

で、問題は何を売るか、だが、「D2C」というマーケティング手法の良さを最大限生かせる商材というのはだいぶ絞られてくる。

・従来中間マージンが何重にも取られていた商品

・定期購買する方が便利な商品

・日常的に消耗する身の回り品

etc.

こうした条件で絞っていった結果、残ったのはアパレル、コスメ、ペット用品だった。

 
原体験はこれから作る

守りの姿勢っぽいけど、起業し自ら事業を行うからには何か世の中に対してインパクトを与えたい。

これは僕にとっての承認欲求のようなものです。

 

だからこそ、会社の理念として「非常識を常識に変える」「実験思考で物事を試す」といったことを掲げており、周囲をあっと言わせる何かを出したいと考えるわけです。

 

「男子がメイクをするなんて」

そう思われていた時代が今まさに転機を迎えている。

 

forbesjapan.com

 

ようやく「メイク男子」という言葉が徐々に広まりつつあるものの、それでもまだ浸透しているとは言い難い。

 

メンズ用のメイクアップ商品がまだまだ少ない現状において、その市場を開拓しけん引する一大ブランドを築き上げることができたなら、少しは周囲の人たちに自分のことを認めてもらうことができるのかな。

 

メイクをする自分を受け入れ、またメイクする男性を受け入れる世の女性も増え、身だしなみの一環として性別に関係なく化粧をすることが当たり前になる世の中を作っていきたい。

 

その文化を定着させたのは私だ!と胸を張って言えるような一大ブランドを築き上げたい。

 

長くなったけど、そんなわけで今、メンズコスメの事業を立ち上げることに邁進しています。

今年秋にも商品化できるよう頑張りたいと思います。

どうぞ皆さん応援よろしくお願いいたしますmm